2024.03.13Toyroro
トイロロ保育園の裏にはお琴教室「筝三絃なかにし」があります。以前から近隣に住む保育士の一人がその教室に興味を抱いており、いつか子どもたちと一緒に訪れる機会を待ち望んでいました。そこで、コロナ禍も終息したところで、地域交流の一環として教室での演奏を子どもたちに聴かせていただけないかとお願いしました。すると、快く引き受けていただけることとなりました。
教室には座布団が並べられ、子どもたちもそこに座らせていただきました。背筋を伸ばして正座ができている子、いつもとは違う雰囲気の中で私たちから離れない子、お琴や先生を嬉しそうに観察する子がいたりなど、12名の個性が見られました。そして、子どもたちの馴染み深い『ゆめをかなえてドラえもん』や『さんぽ』などを選曲して演奏していただき、子どもたちの目が輝き始めました。また、お琴の音色に合わせて体を上下に揺らしながら手拍子のリズムをとるなど、園では見られない子どもたちの姿がありました。その後、お琴の先生方のご配慮により、お琴に触れさせていただきました。すると子どもたちは弾くように指を動かしはじめ、初めての体験とは思えないくらい上手で驚かされました。
また、お琴の先生が演奏する前に琴柱(ことじ)(音の高さを調整するために移動させる白いブリッジのような形のもの)を移動させている姿を見ていたからなのか、ついつい子どもたちも触ってしまい、先生からは「これは大切なものだから触らないでね」と……。そのお言葉をしっかり理解した子どもたちは、それ以上は決して触ることなく、約束を守っていました。大切な楽器の部分に触れてしまったことはいけませんでしたが、大人がすることをよく見ているなと思わず関心してしまいました。子どもたちだけでなく大人の私たちも、お琴の演奏を間近で聴く貴重な経験となりました。